ゲシュタルトとは「全体の形」といった意味のドイツ語です。
この療法の目的とは自己成長であり、自分で自分をささえ、自分に責任を持ち、セルフコントロールの能力を回復し、自分らしく創造的に生きることをめざしています。
まず「いま・ここ」で浮き彫りになっている未解決な問題に焦点をあてます。そして「いま・ここ」での気づきの体験を通して解決します。この一連の流れをワークといいます。頭で考えるだけでなく気持ちも身体も含めた自分全体でそれを体験します。
人間というのは外界と接触境界(自分と外界との壁みたいなもの)をもつことで、外界とのコンタクトをスムーズにしています。そのスムーズなコンタクトを妨げるメカニズムとして以下のものがあります。
1.投影
本来自分野中にあるものを自分のものとして認めず、周囲の環境にあるとする。責任を外に求めること。
2.鵜呑み
外界からさまざまなものを取り込むが、それをまるのみにしてしまうと、自分で消化できずに、自分のものとならない。たとえば親が「〜しなさい」「もっとがんばりなさい」というようなことをそのまま鵜呑みにしてしまう。つまり外界のものをそのまま自分のものとせず、自分ものであるかのようにしてしまうことである。
3.反転行為
自分がもっている感情や思考を表に出さず、内面にむけてしまうこと。
4.無境界融合
自分と自分でないものとの境界がはっきりしないメカニズムである。どこまでが自分の考えで、どこからが他人の考えなのかわからない。たとえば「人間というものは〜」とか「一般に〜」という言い方は無境界の状態で自分で責任を取っていないと考えられる。 |
これらのメカニズムを「いま・ここ」で気づく体験を行います。
実際としては
1.エンプティチェア
自分の中で起こっている葛藤を二人の自分と見立てて、向かい合う椅子にすわらせて対話ををしたり、投影や鵜呑みにしているものと対話を行う。これによりいままで気づかずにいた自分を取戻し、より自分を統合できなものにできる。
2.グループ
多くの場合はこちらのグループで行われる。安全で信頼ができる環境が必要である。またこのグループはミニチュアの社会とみることができる。
- 娘が母親の役割を、母親が娘の役割をそれぞれ演じて会話する。
- やりたくてやれなかったことをやってもらう。両親のいない人に「お父さん」「お母さん」と呼ばせる等。
- 夢の中の登場人物や事物になり気って、その気持ちを語る。
- 「人前では話せない」という人に、「今からあなたは人前でも平気でおしゃべり出来る人間を演じてください」とロールプレイをさせる。
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など、といったことを行います。それにより頭だけの理解ではなく体全体で理解、つまり
「体得」ということにつながります。
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