最近町で『心療内科』という看板をよく見かけますが、その多くは精神科の先生がやっているところがほとんどだと思います。
これは「精神科に通っている」ということで、「あの人はちょっと異常じゃないの!?」といった偏見をもたれることを少しでも軽減し、患者さんが通院しやすいように、「心療内科」という、若干やわらかい表現にしているのです。
本来の心療内科とは内科の医師がその専門性を背景にストレスによって発症し、慢性化、難治化した内科の疾患を扱います。例えば喘息、過敏性腸症候群、高血圧などの身体疾患です。
神経症、うつ病、不安障害、パニック障害、統合失調症といったものは精神科の領域です。
実際にところ心療内科と精神科の領域でかぶさる部分もあり、はっきりこれはどっちとはいいにくいところがあるのが現状です。
まとめると下の図のようになります。
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内容 |
薬の処方 |
費用と時間 |
精神科 |
薬での治療。心理検査、簡単なカウンセリングなども行います。 |
あり |
初診のときは時間がとってもらえます。再診時は時間が短くなると思いますが心理的療法を用いるときなどは時間をとってもらえるでしょう。診てもらえる時間はとにかく病院の込み具合にかなり左右されると思います。保険がききます。 |
心療内科 |
薬での治療。治療のために精神医学的、心理学的知識や技法を応用します。 |
あり |
普通の内科と同じですが、心理学的技法を用いるときは時間を取ってもらえるでしょう。保険がききます。 |
カウンセリング |
悩みや問題を抱えている人(クライアント)に対して、問題の解決やその糸口を見つけだせるように援助することです。社会の中で感情に振り回されず、他人と調和を保ちながら生きていく能力を高めたり、人間的に成長をしていきます。 クライアントを尊重し、配慮しながら、あるがままを受け入れ、受容的な姿勢で話を聞くことに重点を置いてます。 |
なし
(基本的に) |
一回平均一時間ぐらいで料金は8000円から15000円ほどだと思います。たいてい予約制です。 |
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精神科を選ぶに時に
最も信頼できるのは大学付属病院であるということがよくいわれます。たしかに誤りではありませんが、大学病院は研究、教育機関であり診療にしばしば、学生は研修医が実習で立ち会う事もあり、また患者数の多さから診療時間が短いなど粗雑になる事があるのでそこは注意する必要があると思います。しかし大学の専門性はそれなりの利用価値があり、検査設備や紹介の体制はしっかりしているので初期のチェックにはよいと思います。
大学病院以外の精神科を探す方法としては、図書館や書店を利用されるとよいでしょう。最近は心に関する専門書があふれています。なかには治療期間のガイドブックもあるので探されるとよいと思います。
お薦めとしては開設して間もない個人診療所やクリニックです。これらの精神科医は意欲的で、技術、サービスの面でもよい治療関係を結ぶ事が出来るのではないかと思います。心療内科と看板が出てている町のお医者さんはほとんどは精神科であると思います。
とにかく自分が納得いく診療時間、料金、また先生がいるところを探すことをお勧めします。